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●2017年7月号
■ 総選挙に勝利し改憲を阻止しよう
     社民党幹事長 又市征治

   

実にデタラメで腹立たしい国会でした。参院法務委員会での「共謀罪」法案の審議を打ち切って本会議に「中間報告」をさせて採決をするという究極の強行採決の時には、会派(社民・自由)のみんなに、精一杯闘う姿を示そう、演壇上で一言ずつ言おうと呼びかけ、牛歩をやって、私も壇上から与党席に向かって「憲法を尊重し擁護する義務を負った国会議員として恥ずかしくないのか」と大声で訴えかけました。
   
社民党としては、最終盤に、国会外で共謀罪反対を闘っている全国のみなさんと院内の四野党が一体となって闘っている姿勢を大切にしようと、14日の四野党(民進党、共産党、自由党、社民党)幹事長・書記局長会談で提起し、参院で山本・地方創生担当相と金田・法相の問責決議の提出に加え、松野文科相の問責決議、山本・議運委員長及び伊達参院議長の解任決議、そして衆院で内閣不信任案の提出などを主張しました。
   
15日以降、メールやファックスでたくさんの激励をいただきました。野党としてのツメの甘さや国会内の闘いの不十分さもあったと思いますが、院外の皆さんとともに次の闘いにつなげることができたのでは、と思っています。
   

■ 加速する憲法改悪の動き

安倍首相の政権運営のパターンは、選挙では「私たちこそ経済を一番に考えています。みなさんの生活を第一に考えています」とアピールし、高い支持を取りつけておいて、選挙が終われば政治的にやりたいこと、例えば特定秘密保護法案(2013年12月)を強行採決し、2年後の2015年9月には自民党が参考人に呼んだ憲法学者すら違憲だと言った安保法制を強行採決する。そして今回の「共謀罪」法案の強行採決です。「戦争のできる国づくり」にまっしぐらです。
   
そして、衆・参ともに与党が3分の2以上を握っている今、こんなチャンスはもうないのだから、改憲に突き進もう、そのために年内には自民党改憲案をまとめ、その上で公明、維新の会、できることなら民進党の一部を取り込んで改憲の国会発議を強引にやろうという構えです。国民投票は、発議から60日以降180日以内なので、国政選挙と抱き合わせ実施を考えていると思います。国民投票単独では危ないと見ているようです。
   
現時点では2つの案を軸に戦略を練っているように思われます。1つは、2018年12月で任期が切れる衆議院議員選挙と一緒に国民投票を行う案です。この場合には、来年6月頃まで、つまり通常国会中に改憲の発議を衆・参で通して、秋に衆院を解散し「同時選挙・投票」です。
   
もう1つは、2019年の7月の参院選挙と同時に国民投票を行う案です。この場合には、今秋から来年前半に、確実に3分の2以上の議席を与党が確保できると確信できるときに、解散・総選挙を行う関門があります。そこで注目されているのが、7月2日投開票の東京都議選です。自民党も落ち込みそうだが、民進党の惨敗が予想される。となれば7・8月は民進党内がガタガタし役員交代に発展するだろう。そうなれば野党共闘が事実上崩れる、つまり解散・総選挙をやれる状況になる、という見方です。
   
今、自民党はなによりも四野党共闘を恐れています。立憲四党が本気になってスクラムを組んで小選挙区の「すみ分け」調整をして市民連合と一緒に戦えば、例えば昨年の参院選で東北・甲信越九県で野党が8勝1敗したような状況が全国に拡大すれば、与党にとって3分の2確保どころではなくなります。これが怖いので、野党共闘が崩れる状況、つまり民進党の体制が崩れた直後に、つまり今年の秋に解散・総選挙をやって3分の2以上の議席確保と改憲への民進党内からの同調を虎視眈々と狙っている、森友・加計学園疑惑も消し去れると政権側は見ているでしょう。
   
この両面を見ておいた方がいい、ということです。8月下旬から9月上旬にかけて内閣改造をやり、政権側も体制の立て直しを図ってくるでしょう。
   

■ 国会終盤で追い詰められた安倍政権

今回の「共謀罪」の強行採決、とくに委員会審議・採決を省略して「中間報告」で即本会議採決という議会制民主主義否定のやり方に至った背景には、一面、安倍政権が国会終盤において世論に追い詰められたことがあると思います。森友問題もありますが、とりわけ加計問題での、文科省の行政文書隠蔽に対してすさまじいばかりの抗議が殺到し、政権中枢の横暴に対する10人からの文科省内部告発者が出てきて、にっちもさっちもいかない。早く国会を終わらせ疑惑追及から逃れたい、ということからあのような暴挙にでたのでしょう。安倍独裁政治をまざまざと見せつけました。
   
そもそも自民党筋の終盤国会のスケジュール観としては、「共謀罪」を6月15日ぐらいに委員会で採決して16日の本会議で上げ、会期を10日ほど延長して20日には刑法改正案を採決、そして衆・参両院の予算委で集中審議を行い、遅くとも23日には国会を終わらせようというものだったはずです。
   
それを「延長せずに国会を閉じろ」といったのは安倍首相自身でしょう。それは、森友学園疑惑に次いで加計学園問題で自分の尻に火が付いた。疚しいことがなければ堂々と受けて立てばよいのに、後ろめたいことがあるから逃げ回る。「怪文書だ」と決めつけていた文書が文科省で「見つかった」ことを受けての加計問題の集中審議も、会期延長をしなかったから、参議院のみで、しかもたった3時間で終わりにできたわけで、会期延長していれば衆院でもやらなければならないし、3時間ではとてもすまない。そうなれば安倍首相のイメージは地に落ち、政権はボロボロになる。まさに首相自身による疑惑隠しです。その意味では、国民の声、世論に追い詰められた、ということでしょう。
   
文科省が、一旦は「ない」といった文書が「出てきた」わけですが、出てきて終わりではない。あの文書をもとに国会で集中審議をやる、前川・前文科省事務次官や萩生田・内閣官房副長官らも証人喚問で呼ばなければ真相の究明はできない。国民の7割近い人が安倍政権の説明に納得していないのですから。事実、週明け6月19日に相次いで発表された内閣支持率は軒並み低下し、中でも毎日新聞の調査では、不支持(44%)が支持(36%)を上回る結果となりました。世論が安倍政権を追い詰めたんだ、という総括が野党に必要だと思います。
   
「共謀罪」についての安倍政権のやり方は実に巧妙でした。テロ防止のためとか、東京オリンピックのためにという宣伝は一定功を奏したと言えます。しかし、テロについていえば、すでに13の国際条約を締結し、個別に法整備してきています。テロ対策は全くのこじつけで、187カ国が締結しているTOC条約(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約)締結のためにという理屈をつけただけです。現行法の運用で十分に条約締結が可能であることは、国会の論戦の中で明らかになっています。安倍政権は、森友問題、加計問題をめぐる国会での厳しい追及から逃れるだけでなく、この法案の矛盾が露呈することも恐れて、強行採決に踏み切ったと言えます。
   
ただし、私たちの弱さとして、総括しておかなければならないのは、宣伝の不十分さです。もともと「共謀罪」法案については、当初の世論調査では国民の賛成が多かった。そしてまだまだ騙されている人は今も多いと思います。世論調査で見れば、賛否は拮抗しています。野党が、わが党が、法案の問題点を国民のみなさんに十分宣伝し説明してきたかといえば、労働組合や民主団体へのオルグを含めて反省が必要ではないかと思います。
   
簡単に言えば、新しい軍事基地建設、原発建設、迷惑施設建設、あるいはマンション建設で日照権が奪われる。これに対して、労働組合であれ、漁協であれ、市民団体であれ、町内会であれ、「これには反対しよう、建設を阻止しよう」と相談をすれば「共謀」になり、そして現場を確かめようと現地に行く、これが「準備行為」となり、現場に行った人だけでなく、反対を決めたその組織のメンバーであるというだけで、何も行動していない人も一網打尽に捜査・逮捕、処罰されるのが「共謀罪」です。これまでは、実行しなければ罪に問われなかった277の罪について、話し合った、下見をしただけで罪になるわけですから、すべての民主団体、労組が対象になります。とすれば日常的に国民全体をあらかじめ監視しなければなりません。安倍政権は「共謀罪」の対象組織は「組織的犯罪集団だけだ」と言っていましたが、国会審議の中で金田法相が「すべての団体が共謀罪の適用対象ではないのか」という質問に対して、「人権団体であろうと環境団体であろうと、隠れ蓑にしている団体は含まれる」と答弁しました。これが本音です。
   
こうした「共謀罪」の具体的な話がまだまだ国民のみなさんには浸透していない。私も、地元で市民のみなさんに問題点をお話ししたときに、このことを痛感しました。戦争法反対運動を闘ってきた総がかり実行委員会のみなさんが中心になって、「共謀罪」反対を訴えて公園で座り込み、スタンディングをするなどさまざまな取り組みを行い、だんだん運動が広がってきています。党としての、宣伝のあり方をもっと研究しなければならないと感じています。党としてもテープ、CDをつくって全国に送りましたが、市民に広げるためのチラシをつくる、宣伝カーを回すなどの努力をこれからもしなければいけないと思います。
   
その意味では、やはり労働組合の立ち上がりが課題です。連合の神津会長とも話しました。「共謀罪」は労働組合が対象であり、労働組合を委縮させることが目的ではないですか、と。神津会長も反対だと述べられていました。そして連合としての「共謀罪」反対集会が開催されました。しかし、連合として反対集会ができたところもいくつかはあったと聞いていますが、全国でいえば地域的なアンバランスがあって、やはり平和センターグループ、そして全労連グループが中心でした。集会に集まった組合も官公労が中心という弱点がある。労働者全体をまきこんだ運動を党としてさらに追求していきたい。もちろんこのことは全国各地の社民党員が努力されていることだと思っています。
   
特定秘密保護法、安保法制、「共謀罪」と、いずれも国民を監視、委縮させる法律を成立させ、知る権利は奪われていく、そして自衛隊は憲法九条があろうとも、自衛艦の米艦等防護、南スーダンには新しい任務をもって派遣されるなど、戦争法の具体化が進んでいます。日本海で米艦防護つまり集団的自衛権を行使すれば、これは間違いなく日本本土への攻撃の危険性が高まるわけです。私は2年前の国会で、米艦等防護を行うようになれば日本が攻撃される危険が出てくるではないかと質問しましたが、安倍首相の答弁は、「仮定の話にはお答えできない」という無責任な、その場しのぎの答弁でした。
   
こうした違憲立法の積み重ねの行きつく先は、2020年の改憲施行、具体的には5月3日に安倍首相が言及した憲法九条への自衛隊条項の明記が軸になるでしょう。
   
ここにもすり替えがあります。国民の多数が認めている自衛隊のイメージは、万が一の侵害に備えた「専守防衛」の組織であり、時にはPKO五原則を守った上での平和維持活動、平生は災害救助に頑張っている姿でしょう。これが一般国民の認める自衛隊の姿です。しかし、安倍首相が言っている自衛隊は、集団的自衛権を行使する、戦争ができる自衛隊なのです。そのために、憲法に明記すると言っているのです。これを徹底して訴えなければなりません。国民の自衛隊像をものの見事に悪用した案だと思います。
   
私は、「九条三項」の新設よりは、「九条の二」の新設になるのではないか思いますが、この案によって加憲派の公明党を取り込む(もともと日本会議の発案だそうですが)。同時に、高等教育無償化で維新の会の顔も立てる戦術です。
   
この教育の無償化については、NHKのテレビ討論の時に自民党の下村幹事長代理に「あなたは賛成だったと思うが、2010年に社民党も入った連立政権が、高校授業料無償化と子ども手当の創設を決めたとき、『究極のばらまきだ』と批判し、その実現を妨害したのは自民党ではなかったか。高等教育無償化は憲法上なんの差しさわりもなかったでしょう」と申し上げました。今は待機児童ゼロ、子育て予算の充実を口先では言っている自民党だが、1980年代の臨調行革以降、一貫して保育等子育て予算の抑制、削減を行ってきたのは、当の自民党なのです。
   

■ 憲法改悪反対の大衆運動を

通常国会を党利党略で早仕舞いした与党ですから、秋の臨時国会で継続審議としたさまざまな法案、そして新たな法案について審議しなければならないはずですが、加計学園疑惑などの追及を恐れて、もしかすると臨時国会を開催せずに、飛ばしてしまうかもしれません。そこまではいかなくても、内閣改造はするでしょうから、それを受けて短期間の国会を開いて、新しい大臣の所信は一応聞いて、早々に国会を閉じてしまう可能性があります。森友学園への85%引き国有地払い下げ、初めから加計学園に絞った獣医学新設の疑惑について、何ら疚しいことがなければ必要な行政文書を提出し、証人喚問を行って真相解明するのが政府の責任なのに、これを逃げ回るのは、まさに「疚しいことがある」ことを逆に証明していると言えるでしょう。
   
これを逃げ切る妙手は、解散・総選挙で勝利し「国民の信を得る」ことで、安倍首相は切望していると思います。
   
当面の最大課題は憲法改悪反対です。その主舞台は大衆運動ということになります。私は、国際反戦デーの10月21日を運動の一つの集約点において、全国で憲法改悪反対運動を積み上げていったらどうか、と考えています。社民党でいえば「活憲」運動の展開です。こんなに憲法が捻じ曲げられ空文化している今、憲法九条だけでなく、憲法二五条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と生活権を保障していますが、これが国民生活の中で実現されていない。むしろ政府自体がこの権利を奪ってきたのではないか、ということを訴えていこう、そして憲法二五条を生活に活かそうという運動です。一四条の「法の下の平等」、二六条の「能力に応じてひとしく教育を受ける権利」もそうです。
   
党は地方議員が中心になって、地域で、市民の生活、権利を擁護する運動を展開します。国民健康保険料、介護保険料は軒並み値上げ、効率化、医療費抑制の名のもとに医療機関の再編・統合が進められています。国鉄分割民営化は30年を経て、いよいよ本格的にローカル線の廃止へと向かおうとしています。こうした1つひとつの課題について、憲法を拠り所に闘いをつくりましょう。
   
労働組合の活動家のみなさんもそうです。いま職場では長時間労働、過労死、サービス残業がまん延し、労働基準法をはじめ労働者の権利が踏みにじられています。男女格差や正規・非正規間の格差もそうです。職場闘争の強化、職場の権利行使、権利点検を職場の仲間に呼びかけ、勇気づける闘争の展開が求められているのではないでしょうか。
   
労働組合のみなさんには権利闘争だけでなく、春闘を頂点とする賃金闘争に期待します。要求は大手も中小も4%ぐらいは要求すると同時に格差是正を追求する、それを職場討論でみんなの実感要求にしていく。それが大衆運動というものではないでしょうか。
   
青年の組合離れが叫ばれます。昨年の参院選挙でも連合組合員680万人に対して、連合組織内議員の獲得得票は220万票に届かなかった。これは組合への信頼度ではないでしょうか。やはり職場の実態に根差して大衆運動をやらなければ組合員の信頼は得られないということでしょう。
   
政策面でも、労働組合のみなさんともっと議論をしていかなければならないし、できると思っています。例えば原発の問題です。連合も「脱原発」の方針ははっきりしている。ただ、再稼働反対ということになると、雇用問題に直結するので異論がある、と言われます。しかし、いますぐに全部廃止ではない。廃炉に40年前後必要なわけで、雇用問題に直結はしない。再生可能エネルギーに切り替える、これを電力会社がうんとやれば雇用は生み出せる。結局、海外に原発を売り込むために、国内の再稼働にこだわっているのではないか。私は、再稼働のための3つの条件を訴えています。

  1. 30キロ圏内の自治体との厳しい防災協定を結ぶ
  2. 30キロ圏内の住民投票
  3. 30キロ圏内での政府が関与した実効性のある避難計画の策定。

これなら連合のみなさんと十分議論できると思っています。
   
選挙協力の問題についても、連合が共産党と一緒にやれない、共産党の候補者の応援はやらないということは、歴史的経緯から仕方がない。しかし、立憲四党が政権を倒すために協力することは、別の問題で、理解してもらわねばなりません。具体的に、民進党が候補者を立てないところに社民党が、あるいは自由党が候補を擁立する場合は、連合は協力してもらいたい、と神津連合会長に申し上げた。神津さんは「選挙区で民進党と話がまとまったところは応援するのが当然です」と言及しています。そうでなければ安倍政権は倒せません。
   
憲法改悪反対の取り組みについては、連合が国のあり方に関する議論を再び開始すると伺っています。読者のみなさんの中にも連合組合員の方は多くいらっしゃるでしょう。ここはあきらめずに機関の中で意見反映をしていただきたいな、と思っています。意見が違うから議論が必要なのであって、意見が違うから討論しないというのでは組織の発展がありません。
   

■ 党を強化し解散総選挙の準備急ぐ

今年1月から5月の地方議会選挙の結果を見ると、いままでは議員定数の削減もあって低落傾向であった社民党の議席数はわずかですが増加に転じました。後継者がつくれなかった(新たに空白となった)自治体があることは残念ですが、トータルで増に転じた。やはり去年の参議院議員選挙でもいえることですが、必死になってはいずりまわって頑張ってきたことが、結果となって表れてきています。参議院議員選挙では28万票余り増やしました。これが続いている。これまでも提起してきましたが、現有議席プラスワン運動、空白自治体をなくす、これが少しですが結果となってきていると思います。地方議員を作り出すことが社民党強化の本筋であること、それが結果となって表れていることに、全党員のみなさんはもっと自信をもっていいと思います。
   
私の地元の富山市議選でも、前は2議席だったものが、1人県議会に転出して1議席となっていました。これを昨年秋の補選で2議席に戻して、この4月の本選で3議席にしました。こういう取り組みを強めましょう。
   
中央では、四野党共闘の枠をきっちり固めていく。とくに民進党は内部に様々な意見を抱えて苦労されている。社民党として民進党のみなさんが野党共闘の中軸として闘うよう強く働きかけています。同時に共産党は、民進党が弱ってくると自分たちが前に出て目立つような動きをすると、労組からの批判や市民グループから警戒感を持たれたりもします。ここは社民党として共産党に対してきちんとものを言って、本当の力合わせにつなげたい、と考えています。
   
四野党の具体的な政策については、市民連合のものからバージョンアップしなければならないわけですが、「安倍政権の下での憲法九条改悪に反対する」という線で民進党にしっかりと方針を堅持してもらって、四野党でできるかぎり選挙協力をしていくことを追求したい。政策そのものは、大くくりで考えていけばいいと思っています。
   
戦争法や「共謀罪」法の廃止、憲法改悪阻止は、自民・公明、そして改憲推進勢力である日本維新の会の議席を1つでも多く減らす以外には達成できません。このことを肝に銘じて取り組んでいきたいと思っています。
   
私は、昨年「安倍一強を打破するには、野党が『小異を残して大同に就く』、すなわち共通政策に合意し、安倍政権 VS 野党連合の構図を明確にして、国民に政治が変わる期待感・現実感を広げよう」と野党各党に働き掛けてきました。その結果、昨年の参院選では32の1人区で候補者の一本化が実現し、3年前の2勝29敗から11勝21敗に前進すると共に、比例区では四野党の得票が前回より588万票伸びました。正に野党共闘の成果でした。これを踏まえて、各小選挙区で野党候補の「すみ分け」調整を急ぎ、それぞれの地域の実情に即した選挙協力が必要です。
   
労働組合のみなさんには、安倍暴走政権の問題点を大衆宣伝する。そして、今度の選挙で四野党の共闘、「すみ分け」をやって、それを応援していく。これが基本だと思います。四野党党首会談の合意が基本になります。
   
各県でどの小選挙区に候補者を立てるか、四野党で協議して「すみ分け」とギブ&テイクを実現していく、このことが改憲勢力を3分の2以下に追い込み、安倍退陣を実現し、改憲を阻止する道であることに確信を持って、全国の党員、党組織のみなさんが奮闘し、結果を出していただくことを、この紙面をお借りしてお願いします。
   
(6月19日のインタビューを編集部の責任でまとめました)

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